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EC事業の在庫デューデリジェンス。滞留在庫と粗利を分けて見る

2026 8/10
EC M&Aコラム
2026年6月11日2026年8月10日
EC事業の在庫デューデリジェンス。滞留在庫と粗利を分けて見るのアイキャッチ画像

在庫デューデリジェンスでは、帳簿数量と実在庫を照合し、SKU別の保有日数、滞留・破損・期限切れ、取得原価、評価減、保管費を分けます。本記事では、在庫を譲渡価格へ含める前にそろえる明細と証憑を解説します。

この記事の要点

在庫DDでは、滞留在庫、原価、評価減、保管費、発注ロットを一つの資料で説明できるかが重要です。売上だけを見せるのではなく、なぜその売上が続いているのか、譲渡後も再現できるのか、どこに人手や契約の制約があるのかを明らかにすると、買い手の検討スピードが上がります。

目次

在庫DDで買い手が最初に見るもの

1つ目は滞留在庫で、SKU・ロット・期間別の数量や発生率、委託先、契約条件、例外処理、移行後の責任者を整理します。

2つ目は原価で、商品仕入額に輸入諸掛、検品、包材、倉庫入庫までの費用を含める基準を統一し、SKU別の標準原価と実際原価の差を確認します。

3つ目は評価減で、SKU・ロット・期間別の数量や発生率、委託先、契約条件、例外処理、移行後の責任者を整理します。

4つ目は保管費で、SKU・ロット・期間別の数量や発生率、委託先、契約条件、例外処理、移行後の責任者を整理します。

5つ目は発注ロットで、SKU・ロット・期間別の数量や発生率、委託先、契約条件、例外処理、移行後の責任者を整理します。

譲渡企業様が見落としやすい現場の論点

在庫評価では、決算書に出てこない現場の情報が価値の説明に直結します。たとえば、繁忙期の出荷波動、返品や交換の癖、レビュー対応、同梱物、包材、卸先との暗黙の運用、モールイベント時の広告増額、地域商社や製造元との紹介関係などです。これらは数字だけでは読み取りにくい一方で、買い手が引き継いだ後に困りやすい部分でもあります。

売却前にすべてを完璧に整える必要はありません。大切なのは、何が属人化しているか、どの作業が外注化できているか、どの契約が名義変更できそうか、どの情報は条件整理後でないと共有できないかを分けることです。この分け方ができているだけで、買い手はリスクの大きさを判断しやすくなります。

地域EC・地場ブランドで特に見られるポイント

地域ブランドや産直ECでは、ECサイトの売上だけでなく、製造元、仕入先、卸先、催事、道の駅、ふるさと納税、地域商社との関係も承継価値になります。

食品や健康食品、化粧品では、賞味期限、温度帯、ロット、表示、広告表現、同梱物の管理が譲渡後の運営リスクに直結します。

少人数運営では、受注処理、梱包、問い合わせ、SNS投稿、広告入稿を誰が担っているかを分解しておくと、買い手が運営移管を想像しやすくなります。

買い手に伝わる資料の作り方

  • 月次PL、チャネル別売上、自社EC・モール・卸・催事・ふるさと納税の売上内訳を分ける
  • SKU別粗利、在庫数、滞留在庫、返品率、賞味期限、温度帯、仕入条件を一覧化する
  • 広告媒体別の費用、ROAS、CPA、自然検索、レビュー、会員数、リピート率を整理する
  • 商標、ドメイン、SNS、商品画像、LP、外注先、3PL、モール規約の引き継ぎ可否を確認する
  • 譲渡後に譲渡企業様が協力できる期間、協力範囲、守りたい取引先や従業員への配慮を明確にする

資料を作るときは、滞留在庫、原価、評価減、保管費、発注ロットを一度に細かく出しすぎないことも重要です。初期段階では、商材カテゴリ、売上規模、利益率、販路構成、地域の概要、譲渡理由などに絞ります。条件整理後に、管理画面や契約書、在庫明細、広告レポート、顧客情報の範囲を段階的に広げるほうが、譲渡企業様の機密性を守りやすくなります。

相談前チェックリスト

  • EC事業全体の月次売上と粗利を直近24か月分で確認できる
  • モール、自社EC、卸、催事、ふるさと納税など販路別に売上を分けられる
  • 在庫、仕入先、倉庫、外注先、広告代理店、CS体制を説明できる
  • 売却理由、希望時期、譲渡対象、譲渡後の協力可否を整理している
  • 従業員、取引先、顧客に知られたくない情報を事前に分けている

まとめ

本記事では、表面的な売上やアクセス数だけでなく、滞留在庫、原価、評価減、保管費、発注ロットを根拠資料とともに説明することが重要だと解説しました。業界の方が見れば、数字の裏にある現場の癖や商流がすぐに気になります。譲渡企業様は、すべてを整えてから相談する必要はありません。まずは初期相談で現状を共有し、どの資料をどの順番で出すべきかを整理することから始めるのが現実的です。

譲渡企業様の手数料は成功報酬まで0円です。

EC M&A総合センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・成功報酬をいただきません。社名、ショップ名、モールアカウント名を伏せた初期相談から対応できます。電話相談は03-4560-0084、フォームは24時間受け付けています。

補足として、在庫DDのM&Aでは、譲渡企業様が当たり前だと思っている運用ほど、買い手にとっては重要な確認事項になります。滞留在庫、原価、評価減、保管費、発注ロットの背景にある担当者、契約、季節性、地域商流を言語化しておくことで、候補先との対話が具体的になります。

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この記事を書いた人

hamada.h.59のアバター hamada.h.59

東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後株式会社M&A Doを立ち上げ。工事業のM&Aを過去多数支援。

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